子供の習い事ランキングで必ずと言っていいほど上位にランクインする「英会話」。子供の将来のために小さいうちからやらせておきたいと考える親御様はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、乳幼児期から英語に触れさせることのメリットを分かりやすく示している講演をご紹介します。ワシントン大学で乳幼児の語学学習および脳科学を研究しているPatricia K.Kuhl教授が、アメリカのTEDカンファレンスという講演会で解説しています。
- 新しい語学の習得は1歳までが最も効果が高い
第二言語の音を聞き分けられる臨界期は7歳前後と言われており、それ以降習得する能力は落ちていきます。しかしこれは第二臨界期であり、その前に第一臨界期が赤ちゃんの頃にあるそうです。6ヶ月を過ぎたあたりから1歳になるまで、赤ちゃんは音を聞き分ける準備期間に入ります。そのため、親の言うことによく耳を傾けるようになります。例えば「R」と「L」の音の違いが重要な英語をたくさん聞かせると、赤ちゃんの脳は「R」と「L」の音を統計的に処理し、それらの音の違いを敏感に聞き分けられる脳を発達させます。しかし、「R」と「L」の中間音しか持たない日本語を聞かせると、赤ちゃんは「R」と「L」を聞き分ける能力を失っていくのです。 - TVやCDの音声では語学の学習効果は上がらない
TVやCDで英語を学習する子供は多くいますが、最も学習効果の高いのは人間が直接声を届けることだとKuhl教授は言います。1歳までの子供にTVやCDで第二言語を聞かせても、その音を聞き分ける能力を高めることに効果が得られなかったようです。赤ちゃんの言語能力発達には、身近にいる人からの語りかけが最も有効なのです。ベビーシッターや家庭教師を通じた言語の習得も同様に効果が高いと言えそうです。
このTEDカンファレンスでは、有名大学教授や研究者がアカデミックな分野を分かりやすく講演しており、内容もさることながら、発表の仕方や英語表現の面で非常に参考になります。英語の映画やドラマに加えて、大人の英語習得にも役立つツールです。
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