英語の発音は、アクセントが命です。英語は日本語に比べて音の抑揚がはっきりしています。日本人が英語を話すときはアクセントが正しくないと理解してもらえません。最も分かりやすい例が「デザート」です。アクセントが前にあると「砂漠 (Désert)」、後にあると「おやつ (Dessért)」となり、いくら発音がきれいでもアクセントを間違えると通じません。逆に言うと、発音そのものは完璧でなくても、アクセントが正しければ通じるのです。例えば、「inevitable」。「必然的な」という意味の形容詞ですが、知らなければ発音に迷ってしまう単語です。これは「イネヴィダボ」というふうに、アクセント以外の子音を曖昧に発音すれば通じてしまいます。英語はあくまでもコミュニケーションのツールなので、必ずしもネイティブ並みの発音で話す必要はなく、いわゆる「日本語英語」であっても正しいアクセントを身につけることが重要なのです。しかし、日本人にとって、英語のアクセントは意識をしないとなかなか習得できるものではありません。なぜならば、日本語は音の高低でアクセントをつけるため、強弱アクセントを使用する英語とは大きく異なるからです。
日本では幼稚園や保育所で英語が取り入れられるなど、最近になって英語教育がますます盛んです。しかしながら、幼稚園で週1回1時間英会話をやっても、ご家庭で継続的に英語にふれる機会がないと子供は忘れてしまい英語が定着しません。また、集団で英語を学ぶとき、子供の性格によっては物怖じしてしまい自己表現できないことがあります。さらには、中学校に上がると英会話よりも英文法が重視されてしまうため、アクセントを意識する機会が減ってしまいます。そうなる前に、子供が小さいうちから英語のアクセントに耳や口を慣らす環境を作ってあげると良いでしょう。耳を鍛えるだけであれば乳児 (6ヶ月目くらい)からできますし、幼いうちの方が吸収は断然早いものです。
正しいアクセントを習得するには、英語をたくさん聞くこと(インプット)と声に出して話すこと(アウトプット)の反復練習が大事です。今は動画サイトやCDといったツールがあふれていますから、それらを活用するのも良いでしょう。ただし、インプットだけではもちろん英語を身につけたことにはなりませんので、アウトプットできる環境が必要になります。家族や友人を相手に英語で会話できればベストですが、それ以外では英会話教室や英語ベビーシッター(ナニー)が選択肢となります。実生活に結びついた会話や遊びの中で英語を使うこと、さらにアクセントを意識して話すことを通して、使える英語の習得を目指しましょう。