子育てに傾聴を

 NPO法人ココロとカラダを育てるハッピープロジェクトの講座「子育てに関わる全ての人に伝えたい大切なこと」に参加しましたので、ご紹介します。
 相手の話をよく聴く(傾聴する)。当たり前のようにやっているようで、実はできていないケースが多いのではないでしょうか。自分のことを心から受け入れてもらうことは、乳幼児期の子供にとって非常に大切です。その結果、親との信頼関係ができるので、子供は自分が自分のままでいいという安心感を持ち、他の人とも積極的に関われる大人に成長します。そして、相手を受け入れる第一歩として、この「傾聴」があるのです。傾聴するためには大切なポイントが3つあります。
  1. 子供の心を理解しようとすること
     まず、子供が何を言っているかをただ聞くだけでは、本当の意味で理解したことにはなりません。子供がどうしてそのように考えたかを汲み取ってあげることが必要です。例えば、子供が学校に行きたくないことを打ち明けたのを傾聴し、「学校に行きたくないほど嫌な何かがあったのだね?」と尋ねると、子供は安心して話を続けてくれます。そこで「学校に行きなさい」と言ってしまうと、その子供の心を閉ざしてしまう可能性があります。
  2. 事実と想像を区別すること
     人が悪口や不満を言うときは、自分を擁護するために少し話を膨らませて話すものです。聴く側は聴いた話を全て鵜呑みにするのではなく、事実に基づいて聴かないと正しい判断がつきません。
  3. 自分の考えを押し付けないこと
     親は子供に相談を受けたときなどに、良かれと思ってまず親としてのアドバイスを言ってしまいがちです。自分が適切だと思ったことは、必ずしも子供が求めているものではない場合があります。まず相手の話を聴いて受け入れることが必要で、聴いてあげることで子供の自己肯定感を養います。
 話を聴いた後は必ずフィードバックを行いましょう。そうすることで、子供は自分の気持ちを言えて発散できると同時に、自分の気持ちを理解してもらえたという安心感を得ます。この「傾聴」は子育てだけでなく、様々な人間関係にも応用できます。夫婦間で相談事などを話すときでも、ただ聴いてほしいという場合は多く、そこにアドバイスを付け加えるより傾聴することで相手の気持ちが落ち着くということがあります。自分の言いたいことは一旦心にしまっておいて、まずは相手のことを受け入れてあげるということが、良い人間関係を築いていく上で大切なのです。このことは頭で理解できても、実践すべき場面では意外に忘れてしまっているものです。だから、自分自身に思い出させるために手帳に書き留めるなどして、定期的に振り返る場を設けると良いでしょう。

講師: NPO法人愛育学園すみれ副理事長、NPO法人北区子ども感動コミュニテイ機構理事 米本昌子さん
主催: NPO法人「ココロとカラダを育てるハッピープロジェクト」http://kokokara-hp.org
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