薗部容子さんの「まず、ママが幸せに」を読んで、イギリスの子育てに学ぶ

今回は、子育ての参考になる書籍「まず、ママが幸せに」をご紹介します。イギリスの子育て事情を通じて、日本のママさんが参考にしても良いのではないか?ということが多かったです。イギリス人の、子育てに関する代表的な2つの考え方を紹介します。文化、と言っても良いかもしれませんね。
この本は、日本・フランス・イギリスの3ヶ国で子育てを経験した著者が、それぞれのお国柄について軽快なトーンで記述しています。
薗部容子さん
1965年大阪府で生まれ、兵庫県に育つ。神戸女学院中学部・高等学部を経て神戸女学院大学文学部英文学科を卒業。1988年広告代理店「大広」入社、女性初の営業職となる。1992年結婚・退社の後はECC外語学院で非常勤講師を務めるかたわら通訳学校に通い、1996年通訳となる。1998年夫の転勤により渡英。2001年フランスに転勤。2003年帰国。2005年「子どもの生きる国―産んで育ててニッポン・イギリス・フランス」を出版。

地域で子育てをするのが当たり前

イギリスでは、子育てママや子供に対して、周りの人がとても親切です。自動ドアのないお店に行くと、後ろにいた人がわざわざ追い抜いてドアを開けて待っていてくれたり、ベビーカーなど重いものを運ぶのを手伝ってくれたりすることがよくあります。子供が駄々をこねて泣いていたりすると、通りがかりの人が話しかけてくれたりあやしてくれたりするそうです。「地域で子育て」とはまさにこのことでしょう。このあたりは、さすがジェントルマン&レディーの国、と言うべきでしょうか。

ほかにも、日本の、特に大都市圏では見られない周辺の大人のことが書かれています。ちょっとうらやましくなってしまいますね。

イギリス人の夫たち

日本人のお父さんはほとんどの場合、夜遅く、時には日をまたがないと帰宅できないという方が多いのではないでしょうか。家事はおろか、食事も作らなかったり、そういう姿に不満を覚えるママさんも多いのかも…。
一方でイギリスのお父さんたちですが、家事・育児への参加時間は随分と長いようです。イギリスのお父さんたちは日が暮れる頃には帰ってきて、子供たちとひと遊びして夕食を作り、子供のお風呂や寝かしつけまでこなしてしまいます。
妻にとって夕食を作ることは主婦業の延長でも、夫が作れば「気分転換」になるのだと言います。なんともポジティブで明るい考え方ですね。

私の友達だったり知り合いの旦那さんのお仕事のことを聞いていると、現在の日本の労働環境下では、イギリスのお父さんたちのような働き方は簡単に真似できるものではないですね。
しかし、子供たちの健やかな成長のためには、本書の題名にもなっているように、まずはママが幸せに子育てできる環境が必要です。それを手助けするため、お父さんはもちろんのこと、ママ友や地域のコミュニティ、ベビーシッターなどのサービスをバランス良く取り入れることが望まれます。
参考書籍:「まず、ママが幸せに」機関紙出版/薗部容子著
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