オランダの子育てに学ぶ ~ピラミッド・メソッドとは~

今日は、オランダで開発された幼児教育「ピラミッド・メソッド」をご紹介します。
もしかしたらあなたは、国際的な人間に育って欲しいと考えていらっしゃって、海外の教育方法を調べて、このページに辿り着いたかもしれません。
ピラミッド・メソッドとは
自主性を伸ばすことを重要視した教育方法
のことです。
保育者は下記の2つを心がけるように、とされています。

ピラミッド・メソッドで重要視される2つのポイント

「離れること (Distance)」

目の前のこと以外の事柄に目を向けさせることで、子供に抽象的な概念を身につけさせ、表現能力を伸ばすことを促します。
例えば、「水」をテーマにしたとしましょう。水、と一言で言っても、身の回りには非常に多くのことがありますよね。
・水の中の生物はどうやって生きているのか?
・水道の水はどうやって作られて、どのようにして家まで来ているのか?
・生き物はどうして水を飲みたくなるのか?
などを、自由に話し合いながら、概念を説明することを通じ、子供はより多くの言葉や、表現を使って会話できるよう、積極的に行います。

「寄り添うこと (Nearness)」

子供が安心感を持って遊べるようにします。保育者には、子供の声にしっかりと耳を傾けることが要求されます。保育者と、子供との間に、信頼関係ができていきます。
まず子供から信頼されていることで、子供たちには安心感とともに、遊び方やルールを教えることができるのです。

子供の自主性を伸ばすオランダの保育方法に学ぶ

実は、日本の集団保育では、全員に一斉に教えようとするため、保育者の指示語が多いのです。「○○しなさい」などですね。このために、日本の保育では子供の自主性を伸ばすことが難しいと言われています。
一方で、オランダの幼稚園や保育園では全員が同じことをして遊びません。保育者が子供一人一人に向き合い、どんな遊びをするか決めます。そのため、異年齢で同じ遊びをすることもありますし、時には一人で遊ぶこともあります。
ここで重要なのは、保育者は「一つの遊びが終わったら片付ける」などの基本的なルールや遊び方は教えますが、あとは基本的に子供たちに決めさせるということです。保育者は子供たちの決めたことをサポートするという立場なのです。
  オランダの自主性を大事にする考え方は、幼稚園のお遊戯会によく表れています。
例えば、劇。オランダでは、希望者のみのオーディション形式で出演者を決めます。日本では、嫌がる子供や能力的についていけない子供がいても何らかの出番やセリフを与えて全員出演させますが、オランダではそうではないのです。オーディションで出演者を決めているくらいですから、子供たちはやる気満々で、先生の指導にも自然と力が入ります。また、こうして出来上がっていったお遊戯会がおもしろいことはよく知られており、保護者でない人もイベントを見に来て、大いに盛り上がります。
 日本では社会の変化に伴い、以前にも増して「自分の意見を自分の言葉で堂々と伝えること」が大切になっています。子供の自主性を養いたいとお考えかとは思いますが、オランダのやり方をすぐに日本の幼稚園や保育園で実践することは非常に難しいと言わざるを得ません。まずはあなたのご家庭から、子供の自主性を育み、やる気を引き出す環境を整えていきましょう。ポイントは、離れること・寄り添うこと、の2点です。
参考書籍
「ベストキンダーガーデン」オクターブ社/辻井 正 著
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