”You can only speak a foreign language well if you can hear it properly. That is, if you can distinguish the sounds, rhythms and music of the language.”
Dr. Alfred A. Tomatis
英語と日本語はあまりに異なる点が多いため、日本人には英語の習得が難しいと言われています。一般的によく知られているのが語順の違いです。それ以外で今回お伝えしたい英語と日本語の決定的な違いは、「周波数(音の高さに関連する)」です。
フランスのアルフレッド・トマティス博士は、言語によって周波数が異なることを発見しました(パスバンド理論)。母音の強い日本語の周波数は125~1,500Hzであるのに対し、子音の強い英語の周波数は2,000~16,000Hzと大きく異なると提唱されています。残念ながら人間は言語として認識した領域の音しか聴けず、また聴くことのできる音しか話せません。日本語の主な音域は狭く英語ともそれほど重なっていないため、日本人にはなかなか英語が聴き取りづらいのです。一方でロシア語の音域は元々広いので、他言語を習得しやすいと言えるのではないでしょうか。日本で日本語のみの生活を続けて成人になった場合には、日本語の音域以外は聴き取りづらくなりますが、この音域は幼いころであれば広げることができます。諸説ありますが、だいたい小学校高学年くらいまでに聴き分けのできる脳が完成してしまうので、他言語を習得するのであればそれまでに耳を慣らしておく必要があります。したがって、英語のCDをかけたり洋画を見たりして英語を日常生活に取り入れることは重要ですし、聴くことのできる音域を広げるという意味で、高周波数の含まれるクラシック音楽を聞くことも良いトレーニングになるでしょう。
ちなみに人間の聴くことのできる周波数は20,000Hzまでで、年齢を重ねるにつれてその上限は衰えていくと言われています。コンビニエンスストアや商業施設の入り口など若者の集まりやすいところに導入されているモスキート音は、中高年には聴き取りづらい17,000Hz程度の周波数があります。英語にふれるタイミングは成人になってからよりも幼いうちからが良いことは、このことからも言えるのです。